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ぼへ猫通信(168) 追悼 ~チミに捧ぐ~ [追悼]

毎朝、ウチの近所の公園に集まってくる
「ぼやぼやと、その日暮らしでへっちゃら」な猫たち。
公園暮らしを「ぼへぼへ」と楽しむ猫たちの生活を紹介したくて、
『ぼへ猫通信 』はじめました!

今回は、わがまま猫らしく最期を迎えた、チミへの追悼。

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チミの具合が、すこし悪いのかも知れない・・・
そんな風に見えはじめたのは、11月の半ばを過ぎた頃だった。

この秋、チミはずっと食欲旺盛で、いつも朝ゴハンの輪の最前線で待ち、あたりにはチミが
「ヴ~ヴ~」と他の猫を牽制するうなり声が響いていたが、あるとき、ふと気づくと
チミは、みんなの輪から離れた生け垣の下なんかに、ぽつんと座っているようになった。

ゴハンのお皿を出前してやれば食べるが、ちょっと元気がないように見える。
11月の終わりになると、チミは、ゴハンのお皿にほとんど口をつけなくなった。
まずいなぁ・・・ そう思った次の日には、もう姿も見せなくなった。
カゼをひいたりして体調をくずし、1週間ぐらい身を隠してしまう猫は、たくさんいる。
自力で回復すれば、また出てくるし、回復しなければ、もう会えない。
チミは、どうか。。。みんなで心配していた3日後の朝。
公園管理のおじさんが作業をはじめようとした、その足もとに、
身を潜めていた茂みから、チミがヨロヨロとよろめき出てきた、という。

「猫が、倒れたよ!」
ちょうど公園に到着した私たちのもとへ、おじさんが大慌てで駆けてきた。

行ってみたら、ちいさく丸まったチミが、ブルブルと震えながらうずくまっていた。
すっかり弱っているチミを、私たちはキャリーケースに入れて、病院に運ぶことにした。
・・・チミは、それまでずっと、誰も触れない猫だったけれど、
その時、チミは、まるで飼い猫のように、すんなりと私たちに抱かれたのだ。

病院で検査したら、重い腎不全だった。
チミは、驚いたことに、体重が1.6kgしかなくて、体温はたったの34度だった。
2日間、入院して点滴治療をしてもらったが、状態はほとんど改善しない。
腎不全は、治ることのない病だ。「点滴をつづければ、もう少し良くなるかもしれません」
と獣医さんは言ったけれど、それは、ただチミの天寿を先延ばしするだけでしかない。
病院で、チューブにつながれて長らえるのは、きっとチミの本望ではない。。。
そう思った私は、チミを連れ帰り、家の片隅のケージの中で看取ってやることにした。
わずか一日だけをわが家で過ごして、12月5日の午後、チミは静かに息をひきとった。

野っぱらで生きる猫たちのほとんどが、誰にも、その弱った姿を晒さず、
ひっそりと身を隠したまま、勇気あるノラの死を遂げるのに対し、
最後の最期に、人間に助けを求めたチミは、甘ったれだ。・・・甘ったれの猫は、やっぱり可愛い。

さよなら、チミちゃん。 最期に私たちを、頼ってくれて、ありがとう。

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2012年の「ぼへ猫通信」は、今回で終了です。最後の記事が、不本意にも、また悲しい記事になってしまいました。
今回は、コメント欄を閉じさせていただきます。。。来年、また、楽しい記事でお目にかかりましょう。
みなさんに、そして天に昇ったチミちゃんに、笑顔が届けられるように。。。


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ぼへ猫通信(146) 追悼 ~相棒さんに捧ぐ~ [追悼]

毎朝、ウチの近所の公園に集まってくる
「ぼやぼやと、その日暮らしでへっちゃら」な猫たち。
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今回は、交通事故で、とつぜん逝ってしまった黒猫・相棒さんへの追悼。

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7月14日、土曜日の早朝。相棒さんは、公園の下の道路で(たぶん)車に轢かれてしまった。
以下は、道ばたでうずくまっていた相棒さんを見つけた、ご近所のかたのお話である。

その朝、6時半ごろ。窓の外でぎゃあぎゃあと騒ぐ猫の声が気になって、表に出ると、
歩道の植え込みのそばで、黒い猫が、座ったままの姿勢で鳴きたてている。
近づくと、黒い猫は、前足をつっぱって懸命に立とうとするのだけれど、どうしても立てない。
そのうち、疲れたのか、ごろんと横倒しになってしまった。
「可哀想に、どうしましょう・・・」オロオロしているところへ、鳴き声をいぶかしんだ
ご近所さんが2、3人出ていらして、そのうちで、猫をたくさん飼っているお宅のかたが、
タオルとキャリーバッグをもってきて、倒れた黒猫を病院に運んでくださったのだそうだ。

少し離れたところに、茶色い猫が心配そうにウロウロとしていて、
「あぁ、これは、いつも2匹でいっしょにいる猫の片割れだわ」と分かった、という。

相棒さんは、病院に運ばれたけれど、そのまま息をひきとってしまった。

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相棒さんと言えば、おとうさんと呼ばれている古株の茶色猫の、文字通りの「相棒」で、
このあたりの住人で、2匹の「なかよしぶり」を知らない人なんて、いない。
いつも2匹で連んでいて、いっしょに食べ、いっしょに眠っていた。
上の写真は、相棒さんが亡くなる、ほんの2、3日前の、わが家のベランダで撮ったもの。
この2匹のカップル写真は、もう、ほんとうに、飽きるほど撮れている。

だから相棒さんの追悼には、病院に連れて行かれたあとの、おとうさんの話をしてあげよう。
その日一日、おとうさんは、相棒さんが倒れていた植え込みのそばからほとんど離れず、
お昼や、午後や、夕方に、時折、やわらかい声で「にゃおにゃお」と鳴いていた。
その声は、ふだん、ちょっと離れたところにいる相棒さんを呼び寄せるときの声音だ。
・・・でも、その呼び声にこたえて、帰ってきてくれる相棒さんは、もういない。

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その夜遅く、段ボールの棺に納まって帰ってきた相棒さんの亡骸を
病院に連れて行ってくださったかたが、ぽつんと待っていたおとうさんのそばに置いて、
「この子、助からなかったよ」と涙ぐまれていた。
おとうさんは、その意味がわかったのか、どうか・・・でもそれ以来、もう呼び声は聞こえない。

相棒さん、安心して眠りなよ。おとうさんは、きっと、あんたを忘れないよ。


 

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ぼへ猫通信(132) 追悼 ~エリちゃんに捧ぐ~ [追悼]

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今回は、冷たい雪の日からいなくなった、エリちゃんへの追悼。

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エリちゃんが最後に顔を見せたのは、冷たい雪の前日。・・・2月28日の朝だ。
でも、その前からずっと、エリちゃんはゴハンを食べなくなり、痩せてしまっていた。

私がこの写真を撮ったのは、お正月を過ぎた頃で、このころは、まだ
エリちゃんの具合が悪いとは、まったく気づいていなかった。
こうして朝の食事時間にはやってきて、ゴハンも食べていたと思う。
それでも、こんな写真を見つけてみると、きっと、エリちゃんはすこし元気がなく、
こんな風に、冷たい地面にうずくまっていたのかもしれない。

エリちゃんがゴハンを食べなくなったことに気がついたのは、1月の末頃。
この冬は、とりわけ寒くて、風邪をひく猫が多かったから、エリちゃんも風邪かな、
と思ったけれど、どうも、鼻をぐずつかせたり、涙目になる様子がない。
ゴハンの場所に顔を出して、出されたお皿をちろりと舐めたりしているけれど、
ほとんど食べない。 そして、どんどん痩せていった。

風邪ではない、なにか、深刻な病気なんじゃないか、と感じた。
そうは思ったけれど、この子は、病院に連れて行ける子ではない。
ある程度は触れる子でないと、獣医さんだって、診察も治療もできやしないのだ。

それでも、ほとんど毎日、エリちゃんは、ゴハンの時間に姿を見せていた。
最後になった2月28日、その朝は、エリちゃんの姿が見えなかったので、
「エリちゃん、エリちゃん」と呼んでいたら、なぜかヒゲ母さんのお家に隠れていて、
のぞいたら、小屋の入り口から、痩せた身体を半分のぞかせて返事をしてくれた。
「ゴハン食べに、出ておいで」って誘ったけど、エリちゃんは、また小屋に隠れてしまった。
・・・天気予報で「今夜から雪です」と告げられていた朝である。
でも、あの小屋に隠れているのなら、雪に濡れることもないし、すこしはあったかい・・・
ちょっと安心していたのだけれど、それ以来、もう何度呼んでもエリちゃんは出てこない。

さよなら、エリちゃん ・・・ 享年、まだ6~7歳(推定)。
願わくば、その最期が安らかで、ヒゲ母さんや、その子供たち・・・
フサッチやシロッチやクロッチが寄り添って、看取ってくれていればいい、と思う。

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ぼへ猫通信(107) 追悼 ~ミミに捧ぐ~ [追悼]

毎朝、ウチの近所の公園に集まってくる
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今回は、今年の早春に旅立ってしまった、ミミちゃんへの追悼。

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ミミがぷっつりと公園に姿を見せなくなったのは、もう、2月の初めのことだ。

最後にちらりと顔を出したのは1月31日で、その朝、ミミは、
目ヤニと涙でぐちゃぐちゃに汚れた、風邪ひき猫特有の、赤く腫れぼったい目で
餌やり場のはじっこに身を隠すようにうずくまり、みんながゴハンを食べるのをのぞいていた。
気がついた私たちが、「ミミ、おいで」と声をかけたが、ミミはこっちに出てこようとはせず、
離れたところに置かれていた水桶の水をペチャペチャとすこしだけ舐め、
そろりと、どこかへ、消えていった。

・・・それ以来、ミミは、1度も姿を現さない。

ミミは、旅立っていったのだと思う。具合が悪くなったとき、そんな風に姿を消す猫は多いが、
どこかにひそんで、自力で回復すれば、1~2週間ほどで、また餌やり場にやってくる。
出てこられなくなった猫は、おそらく、旅立ってしまったのだ。
ミミはまだ5~6歳ぐらいで、姿を消すほんの3日ほど前まで、元気にゴハンを食べていた。
どこか、よそに移って、元気に暮らしていると思いたいけれど、
あの子は、公園あたりで生まれて、ずっと公園で育ってきた猫だ。
どこかへ引っ越していったとは考えにくい。

ミミが戻らないまま、今年がもうすぐ終わろうとしている。
いちばん可愛く撮れたミミちゃんの写真で、おわかれしよう。

ミミは、大声でびゃーびゃーと鳴く猫で、健在だった頃は、いつも騒々しく私たちを迎えてくれた。
その派手な鳴きっぷりは、なかなかの見ものだったのだけれど、あんまり上手に撮ることができなくて、
残念ながら、大鳴きの顔の写真は、たった1枚しかない。
そして、私は、哀しいけれど、もうミミの写真を撮ってやることはできないのだ。

ミミの大鳴き顔は、↓で見られます。
ぼへ猫通信(11) ミミちゃんは、鳴き猫
http://boheneko.blog.so-net.ne.jp/2011-02-07


さて、ぼへ猫通信、今回が今年最後の更新となります。
のぞきにいらしてくださって、ありがとう(^-^) また、来年、お正月にお会いしましょう(^_^)/~


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ぼへ猫通信(22)  ぼへ猫・往生記 [追悼]

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今回は、逝ってしまったぼへ猫たちの、それぞれの旅立ち物語。

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トムを忍びながら思い返してみると、
2010年は、知る限りで、5匹のぼへ猫が逝った。

そしてまた、ぼへ猫たちの死に様はさまざまで、
まるで、それぞれの猫たちの生き様をも映しているようである。

ご逝去の1番手は、上の写真のミーちゃんで、
数年前、ぶらりと現れてからずっと、公園のアイドル的存在だった猫だ。
管理棟の近くに居を構え、公園管理のおじさんやお散歩の方々など、
あまたの猫好きに愛想をふりまき、おいしいおやつまでもらっちゃう人気ぶり。
この写真も管理のおじさんが撮ったもので、ほら、こんなにいいお顔♪
ミーちゃんは、さくらの花びらがすっかり散ってしまったある日の早朝、
お散歩のおじいさんの足もとへふらふらと出てきたと思ったら、
そのままパタリと横たわっての大往生だったそうな。
人に可愛がられるのが大好きだったミーちゃんは、
死ぬときも人のそばがよかったのかな、なんてちょっとセンチにそう思う。

ご逝去の2番手は、まだ5、6歳ぐらいの若いオス猫、ムーミンだが、
こっちは臆病ないじめられっこにふさわしく、姿を隠したままのひそかなご臨終。
結局、亡骸も見つからない。

そして3番手が、下の写真のふくちゃんだ。
ふくちゃんは、8月のある朝、朝メシにありつく、まさにその直前に逝った。
私たちが餌場に着いたとき、ふくちゃんは遊歩道のまん中で大の字になっていて、
最初は寝ているのかと思ったけれど、近づいてみたら、もう息がなかった。
でも、身体はまだやわらかくて、すこしぬくもりさえ感じるぐらい。。。
ふくちゃんは、たぶん、「さて、今日も朝メシを!」とばかりに、
ねぐらからムクムクと起きだして、遊歩道をのんびりとやってきたにちがいない。
そして、あとちょっと、というところで心筋梗塞あたりの突然死!
きっと、朝メシを逃したことを悔やむヒマもなかったんじゃないかしら?

4番手は、すでにお話ししたチョビで、用心深かった肝っ玉かあさんは、
己の死に際など、人間に見せるはずがない。

5番手のトムは、少しずつ年老いて、じわじわと死んでいった。
「あぁ、この子は、もう長くないな・・・」と思わせたぶん、
「トムだけ、特別ね」と、贅沢缶詰をもらっていた。
そして最期は、段ボール箱の棺に、ピンクの薔薇が供えられた。

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ぼへ猫通信(21)  追悼 ~トムに捧ぐ~ [追悼]

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今回は、薔薇の花壇で逝ってしまった、トムへの追悼。

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今朝、トムは、ひっそりと息絶えていた。
ピンク色の薔薇の咲く花壇のすみっこで。

やはり、昨日、足もとがふらついていたのは、危ないサインだったと思う。
誰もトムの年齢を知る人はいないけれど、十歳は越えていたんじゃないかな。
ノラで十年生き抜けば、それはそれで大往生と思いたい。

若い頃のトムは、公園の山を根城に、ここいら界隈をのしていたボス猫。
ちょっと凄みのある黒覆面で、睨みをきかせたものだ。
山の上では「トム」なんて欧米風の名前で呼ばれていたけれど、
私たちの住む下界での呼び名は「のらくろ」。
上半分は黒く、鼻の上あたりで一直線に白く塗り分けられた顔は、
のらくろ軍曹そっくりだし、ノラノラしい黒覆面の響きもある。
私はいまでも「トム」より「のらくろ」のほうが似合うと思っているが、
そんなこと、トム自身はどうだっていいんだろう。

去年あたりから急激に年老いた感じのトムは、
往年のノラノラしさが少しずつ薄れて、
今年になってからは、人間の足もとにすり寄るようにもなっていた。

二〇一〇年 十二月二十一日 早朝  公園の山にトム没す。
百戦錬磨のぼへ猫が、また一匹、姿を消した。

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ぼへ猫通信(19)  思い出の猫、さくら [追悼]

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第19回は、ぶち子の母猫、初代さくらの悲しいお話

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いま三毛猫は8匹しかいないのだけれど、
どうしても9番目の三毛のお話をしなければならない。

9番目の三毛猫は、初代のさくら。
いまの「さくら」は二代目で、初代さくらに面影が似ているので名前を譲った。

初代さくらは、ぶち子のママで、
まだ生後1年にも満たない歳でぶち子を産み、2歳に届かぬ若さで、
動物病院の手術台の上で死んでいった。

さくらが命を落としたのは、私のせいである。
避妊手術を受けさせるため、ある日私はこの子を動物病院に連れて行ったが、
さくらは、そのとき、重篤な病を患っていたのだ。

「横隔膜ヘルニアでした」手術をしてくれた獣医さんは言った。
「麻酔をかけたら、とたんに呼吸が乱れて、そのまま助かりませんでした」

ほんとうは、私は気づいていたのだ。
さくらが弱々しくて、ときどき苦しそうに呼吸していたことを。
それでも、私はそれを、さほど大変なこととして受け止めていなかったのだ。
だから、その日、私はさくらを罠にはめ、ケージに閉じ込めて車に乗せた。
動物病院に向かう車中で、さくらは、ずっと悲しげに鳴きつづけていた。

さくらの鳴き声があまりにも不安そうだったので、
私はちょっとなぐさめるつもりで、さくらに話しかけた。
そうして、さくらに、ふたつの約束をした。
「明日になったら迎えに来るから、一緒に帰ろう」
「ぶち子のことは大丈夫、私がちゃんと面倒を見るから」

『雌猫には避妊を。ノラ猫が増えちゃわないように・・・』
さくらの命を奪ったのは、私の、そして人間のご都合だけで決められたルール。
ひとつめの約束は、もう絶対に、果たしてやれない。

だから、私は、きょうもベランダで、ぶち子の名前を呼ぶ。
ふたつめの約束は、精一杯の気持ちを込めて、守ってやりたいと思うから。


写真は、ぶち子を産んだ頃にケータイで撮ったものだ。
右下の写真のちっちゃなカタマリは、生後2週間ぐらいのぶち子。
さくらは、窓の下の鉢置きのようなスペースで、ぶち子を育てていた。

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ぼへ猫通信(7)  チョビのカウントダウン [追悼]

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第7回のお話は、チョビのカウントダウン、悲しみの終了。

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第3話でお話しした、チョビのカウントダウンが、ついに終わってしまった。

どこか別のところで、うまいモノにありつける場所を見つけた、
という、ほんのわずかの希望は残しつつ、
きっと、もう、チョビを見かけることはない、と思う。

あわてて、チョビの写真を探したが、こんな後頭部しかない。

この写真は、私が以前、「耳カット」の資料として撮ったものだ。
「耳カット」というのは、ノラ猫の避妊・去勢手術済みの証で、
チョビは右耳の先端にV字型の切れ込みがある。
2年ほど前、私が捕獲して病院に連れていくまでの猫生で、チョビは
たくさんの仔を産み、育てあげた、肝っ玉かあさんだった。

きゃしゃな身体つきで、顔には、白×黒の摩訶不可思議なだんだら模様。
しかも、鼻の下にちょびっと黒点がある。 だから、チョビ。
ヘンな顔もなかなかの個性ではあったが、お見せしたかったのは、
チョビの、人を睨めつけるときの、ゆらぎのない眼だ。

人なんて、これっぽっちも信用せず、ごはんを貰うときすら油断がない。
からっぽのお皿におかわりをつぎたす手に、何度、ひっかき傷をつくられたことか。

避妊手術後はすこしおだやかになって、こんな写真を撮らせるぐらいの隙を見せた。

私以外にチョビの写真を撮るようなモノ好きは絶対にいないと思うので、
結局、これが、チョビが確かに生きていた、たった一枚の記録。

・・・なんと、切ない遺影になった。


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